ISBN:4063492222 コミック かねこ しんや 講談社 2005/09/21 ¥580
 
かねこしんやの描くカルドセプトワールド。 

 
この作品の良いところは、
カルドセプトというゲームの世界観をしっかり描き出してなお、
カルドセプトに引きずられることの無いところ。
カルドセプトでありカルドセプトでない。

まあ、その辺りのことは読めばわかるとは思う。

カルドセプトはとても面白いゲームであるとは思うが
ひとつ大きな欠点があって、それが結局致命傷になった。

時間が掛かりすぎるのだ。
 
 
いや、ボードゲームと見るならば、さほど長いものではないが、
最近の飽きっぽい子供達にはいささか受け入れられないのだろう。
時代は変わる物だが、少し寂しくまた憂う。
RPGもRPGでは無くなってしまったし、

話が逸れた。
本題に戻る。
 
 
この漫画は良い。
前述のように、ゲームが原作にも関わらず、
それに引きずられずに、一個のものとして存在している。

本人の画力(構図等も含む)もそこそこ高く安心して読める。
主役のナジャラン他全ての登場人物に芯が通っていて
キャラクターが生き生きしている。
なお、主役は女の子だけど
萌えなどというよくわからない概念とはほど遠い。
絵は意外と可愛らしい画風で、
その道の人なら萌えられるのかも知れないが、
雰囲気がどちらかというと、旧時代の熱血モノのが近い。
 
 
もちろん、原作のゲームに親しんでいる方が楽しめるのは
異論の余地が無いのだが。
カルドセプトを知っている人間ならば買って損はしないだろう。
 
ISBN:4253126855 コミック 垣野内 成美 秋田書店 2001/06 ¥540
 
 
あなたの血と引き替えに永遠の幸せをあげる・・・ 
 

 
 
ちなみに画像が八巻なのは、一番表紙が気に入っているから。
 
この作品を連載している間に
垣野内成美氏は絵がとても巧くなられた。

細い線で綺麗に描きなさる。
この作品の内容と画風がしっかり馴染んで
ひとつの作品として高い完成度に到達していると感じる。
画力としては決して高いわけではないが、
画風がこれほどまでに話に合っているのは素晴らしいと思う。

夕輝はコミックよりTVアニメシリーズの方が好きである。
TVアニメの"吸血姫美夕"は、
個人的な感情を勘定に入れると、
私が最も好きなアニメ作品である。

では、コミックは嫌いか。そうではない。
OVAの美夕は嫌いだが。

コミックとTVアニメシリーズは全く別の話だ。
登場人物の役割も少し違うし、力関係も違う。
コミックでは美夕より冷羽のが間違いなく強いと思う。

しかし、その根底にあるものは同じだ。

永遠の儚さをこれほどまでに描いた作品は珍しいだろう。
美しく繊細で壊れやすいガラスのような雰囲気が漂い、
吸血姫としての、監視者としての美夕の行動が描かれる。

そして、永遠を生きる者と定命の者の世界は決して交わらないことを。
 
 
まあ、難しい話はさておき
綺麗で繊細な、儚げな世界観が好きなら一読しても良いのではないだろうか。
また、永遠というテーマについての考えを深めたいなら、
これもまた一つの形として触れてみるのも良いかもしれない。
 
 
なお、吸血姫夕維と吸血姫美夕は同じ世界観で描かれ、
互いにもうひとつの作品に出演したりもしている。
時間軸がこんがらがるが、時間軸など彼女たちには何の意味も無いのだ。
 
ISBN:4757506678 コミック 柴田 亜美 エニックス 2002/03 ¥410

んばば。


パプワといっても輸送船じゃないよ?

南国少年パプワ君は旧シリーズの方です。
新シリーズのタイトルはPAPUWAです。

やはり、柴田あーみんは天才では無かろうか。

一時期、旧パプワを終えてから
ちょっとアレだったけど、
新パプワを見ていると、それが杞憂だったと思わされる。
 
 
この作品の良いところは

確かにギャグはなかなか面白い。ブラックなモノもたまには混じるが
散りばめられたものは大小様々で飽きが来ない。
テンポも極めて良く、読むというより読まされる。
画風は一種独特なものもあるが、画力は平均より高く、
構図ひとつとっても、平均よりずっと高い位置にいる。

でも、そんな目に見える所じゃなくて、
この作品の良いのは、
涙が出そうになるくらい温かい話だということだ。
クサすぎる台詞やシーンが躊躇無く出てくる。
脇役のセリフひとつさえ、背中が痒くなりそうなほどに。

にも関わらず、何の違和感も無い。
これがパプワ君という作品だといわんばかり。

あーみんの描く大きくて小さな世界の結晶でもある作品。
今の子供達にこそ読ませるべき作品だと思う。
 
 
 
散りばめられたネタの数々は照れ隠しに他ならない。
作品の主軸は大事なものはきちんとある。
 
結局、人は独りでは生きていけないのだ。
その事を骨の髄までわからせてくれよう。

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