夕輝と闇の妹
2006年8月1日 ShortStory コメント (3)【闇の妹-モンスターメーカー】
"覚醒"
そこは、何処かの海岸であった。
彼女は目覚めの微睡みに半刻ほど囚われていたが、少しずつ彼女の本来の記憶が蘇ってきた。真夜中だろう闇に包まれ、星の輝きと月明かりだけが、彼女を照らしている。
手元には彼女の剣があり、夜の闇の中で暗く煌々と輝いていた。夜の暗さより、なお闇深き業を背負いし魔剣は、永い時間を経てもその輝きを失うことは無かった。
「…闇の色は夜の黒とは違うのね」
彼女は呟いた。
彼女が此処に居るということは、このウルフレンドの地に光と闇の均衡が取り戻されたということ。そして、それは再び戦いの始まりである。
目覚めたばかりの彼女には、重すぎる使命が課せられていた。闇夜に生きる暗き者といえど、少女の面影を残す彼女の小さな背には闇の軍団を背負う大役は大きすぎる。
記憶の狭間を流離う微睡みの中で、赤き魔女の姿を映した闇が彼女に囁く。声ならぬ声が彼女の頭に流れ込み、闇の使命を伝える。闇の軍団として、彼女にはなすべきことがある。激しい圧力と闇の重みが去ったあとには何も残っていない。かすかに、残るは暗き闇の残り香のみ…
ドローネは今、リザレクションを授かったのである。
赤き魔女の幻影は、彼女に多くを伝えたわけではなかったが、闇の軍団が今置かれている状況はドローネにもわかった。彼女の姉たちはもはや復活を果たし、それぞれの道を歩んでいる。闇の繁栄のための道を。
ドローネもまた、闇のために進まねばならぬ道が与えられたのだ。
闇のため、姉たちのため、赤き主人のためにドローネは立ち上がった。
そんなドローネのもとに一人の女性が歩み寄ってきた。不覚にも、ドローネはその気配に気がつけずに接近を許した。ドローネが、記憶の狭間から還ってきた混乱の中、目覚めきっていなかったことも原因ではあるが、相手もまた、気配を絶つことなど造作もない達人であった。
現れた人影は黒い長い髪を靡かせ、東洋の衣に身をつつみ、一つの槍を掲げた女性、チチーナそのひとであった。
ドローネは手元の魔剣を構えた。
「なにをしにきたの?」
ドローネが構えを崩さずに口を開ける。槍の名手チチーナの名前はドローネの記憶にも焼き付いている。手加減のできる相手ではない。むしろ、目覚めたてのおぼろげな技術では、不利であり、まともにやり合える相手ではなかった。
しかし、チチーナに敵対する意志は無く、彼女は穏やかな口調で答えた。
「あなたの元に来たのよ」
「闇に力を貸してくれるというの?」
その問いにチチーナは黒い髪を掻き上げ、真剣な眼差しで答える。
「私は今、歴史の傍観者にすぎない。今は、あなたの元で歴史を見るさだめ」
ドローネしかり、このウルフレンドでは全ての存在がなんらかの宿命を背負う。チチーナは歴史の見ることを運命づけられているのだ。ドローネが闇を背負うように。
「わかったわ。これからよろしくね」
ドローネは魔剣を鞘に戻し、チチーナに右手を差し出す。そして、チチーナが差し出した右手を強く握りしめた。
過去には、違う勢力に分かれ刃を交えたこともある。また別の時には、肩を並べて戦友となったことも。彼女が頼れる存在であることは、ドローネはよく知っている。
チチーナもまた、ドローネの右手を握りながら言った。
「こちらこそよろしく。あなたの旅は苦しいものになるわ。今のウルフレンドでは、お世辞にも闇の軍団は強くない。いや、いまや、闇さえも、もっと昏き闇に飲み込まれようとしている…」
チチーナの言葉を遮り、ドローネの口から自然に言葉が出る。
「ベイオエント…」
その名前さえも暗く、その響きさえ不快に満ちた名。口にするだけで禍を呼び、不幸を撒く存在。
「そうね。この荒れたウルフレンドに光が差すとしたら・・・おっと、ごめんなさいね、闇が再び勢力を取り戻すには、ディオシェリルの力が不可欠よ」
「わかってるわ。私は闇の軍団よ。与えられた使命は全うする」
ドローネは砂地を踏みしめ、拳を握りしめ決意を固める。深き闇の業に負けぬ強い心が彼女を満たし、夜の闇の中へ彼女を押し進める。
「まずは、イフィーヌたちを探さなきゃね」
チチーナの言葉に、ドローネは小さく肯いた。使命を果たすうえでも、愛する姉たちは必ず力になってくれるだろう。
そして、今再び、光の中に闇が一筋差し込んだ。ドローネは、チチーナとともに新たな一歩を踏み出した。
終了後の座談会
チチーナ:はーい、というわけで、ここに
ドローネ:闇の妹"覚醒"(リメイク版)をお贈りいたしまーす。
チチーナ:ま、始まったばっかだし、語ることなんて何もないのよね〜
ドローネ:うん。とりあえず、姉さま達を探さなくっちゃ
チチーナ:っていうか、私ってイマイチ知名度低いのよねー
ドローネ:チチーナさんは初代カードゲームからの参加なのにね
チチーナ:そうなのよ、だいたい私、五番目に強いのよ。アレじゃ
ドローネ:ガンダウルフさん、アルシャルクさん、ディアーネさん、タムローンさん、で
チチーナ:そう。次が私なんだけど。上四人は超有名人じゃない?
でも、私はなんか・・・
ドローネ:まあ、落ち込まないでください・・・
チチーナ:きぃぃぃ。アンタだって、私より有名人じゃないのッ
ドローネ:あわわわわ、落ち着いて〜
"覚醒"
そこは、何処かの海岸であった。
彼女は目覚めの微睡みに半刻ほど囚われていたが、少しずつ彼女の本来の記憶が蘇ってきた。真夜中だろう闇に包まれ、星の輝きと月明かりだけが、彼女を照らしている。
手元には彼女の剣があり、夜の闇の中で暗く煌々と輝いていた。夜の暗さより、なお闇深き業を背負いし魔剣は、永い時間を経てもその輝きを失うことは無かった。
「…闇の色は夜の黒とは違うのね」
彼女は呟いた。
彼女が此処に居るということは、このウルフレンドの地に光と闇の均衡が取り戻されたということ。そして、それは再び戦いの始まりである。
目覚めたばかりの彼女には、重すぎる使命が課せられていた。闇夜に生きる暗き者といえど、少女の面影を残す彼女の小さな背には闇の軍団を背負う大役は大きすぎる。
記憶の狭間を流離う微睡みの中で、赤き魔女の姿を映した闇が彼女に囁く。声ならぬ声が彼女の頭に流れ込み、闇の使命を伝える。闇の軍団として、彼女にはなすべきことがある。激しい圧力と闇の重みが去ったあとには何も残っていない。かすかに、残るは暗き闇の残り香のみ…
ドローネは今、リザレクションを授かったのである。
赤き魔女の幻影は、彼女に多くを伝えたわけではなかったが、闇の軍団が今置かれている状況はドローネにもわかった。彼女の姉たちはもはや復活を果たし、それぞれの道を歩んでいる。闇の繁栄のための道を。
ドローネもまた、闇のために進まねばならぬ道が与えられたのだ。
闇のため、姉たちのため、赤き主人のためにドローネは立ち上がった。
そんなドローネのもとに一人の女性が歩み寄ってきた。不覚にも、ドローネはその気配に気がつけずに接近を許した。ドローネが、記憶の狭間から還ってきた混乱の中、目覚めきっていなかったことも原因ではあるが、相手もまた、気配を絶つことなど造作もない達人であった。
現れた人影は黒い長い髪を靡かせ、東洋の衣に身をつつみ、一つの槍を掲げた女性、チチーナそのひとであった。
ドローネは手元の魔剣を構えた。
「なにをしにきたの?」
ドローネが構えを崩さずに口を開ける。槍の名手チチーナの名前はドローネの記憶にも焼き付いている。手加減のできる相手ではない。むしろ、目覚めたてのおぼろげな技術では、不利であり、まともにやり合える相手ではなかった。
しかし、チチーナに敵対する意志は無く、彼女は穏やかな口調で答えた。
「あなたの元に来たのよ」
「闇に力を貸してくれるというの?」
その問いにチチーナは黒い髪を掻き上げ、真剣な眼差しで答える。
「私は今、歴史の傍観者にすぎない。今は、あなたの元で歴史を見るさだめ」
ドローネしかり、このウルフレンドでは全ての存在がなんらかの宿命を背負う。チチーナは歴史の見ることを運命づけられているのだ。ドローネが闇を背負うように。
「わかったわ。これからよろしくね」
ドローネは魔剣を鞘に戻し、チチーナに右手を差し出す。そして、チチーナが差し出した右手を強く握りしめた。
過去には、違う勢力に分かれ刃を交えたこともある。また別の時には、肩を並べて戦友となったことも。彼女が頼れる存在であることは、ドローネはよく知っている。
チチーナもまた、ドローネの右手を握りながら言った。
「こちらこそよろしく。あなたの旅は苦しいものになるわ。今のウルフレンドでは、お世辞にも闇の軍団は強くない。いや、いまや、闇さえも、もっと昏き闇に飲み込まれようとしている…」
チチーナの言葉を遮り、ドローネの口から自然に言葉が出る。
「ベイオエント…」
その名前さえも暗く、その響きさえ不快に満ちた名。口にするだけで禍を呼び、不幸を撒く存在。
「そうね。この荒れたウルフレンドに光が差すとしたら・・・おっと、ごめんなさいね、闇が再び勢力を取り戻すには、ディオシェリルの力が不可欠よ」
「わかってるわ。私は闇の軍団よ。与えられた使命は全うする」
ドローネは砂地を踏みしめ、拳を握りしめ決意を固める。深き闇の業に負けぬ強い心が彼女を満たし、夜の闇の中へ彼女を押し進める。
「まずは、イフィーヌたちを探さなきゃね」
チチーナの言葉に、ドローネは小さく肯いた。使命を果たすうえでも、愛する姉たちは必ず力になってくれるだろう。
そして、今再び、光の中に闇が一筋差し込んだ。ドローネは、チチーナとともに新たな一歩を踏み出した。
終了後の座談会
チチーナ:はーい、というわけで、ここに
ドローネ:闇の妹"覚醒"(リメイク版)をお贈りいたしまーす。
チチーナ:ま、始まったばっかだし、語ることなんて何もないのよね〜
ドローネ:うん。とりあえず、姉さま達を探さなくっちゃ
チチーナ:っていうか、私ってイマイチ知名度低いのよねー
ドローネ:チチーナさんは初代カードゲームからの参加なのにね
チチーナ:そうなのよ、だいたい私、五番目に強いのよ。アレじゃ
ドローネ:ガンダウルフさん、アルシャルクさん、ディアーネさん、タムローンさん、で
チチーナ:そう。次が私なんだけど。上四人は超有名人じゃない?
でも、私はなんか・・・
ドローネ:まあ、落ち込まないでください・・・
チチーナ:きぃぃぃ。アンタだって、私より有名人じゃないのッ
ドローネ:あわわわわ、落ち着いて〜
夕輝と闇の妹[2]
2006年8月1日 ShortStory【闇の妹[2]-モンスターメーカー】
2
ドローネは途方に暮れていた。
そもそも、言い出したのはチチーナだった。確かに、それに安易に同調した自分の責任も全く無いとは言い切れないのだが。
ドローネは今日何回目かわからない溜息を吐いた。まだ日さえ昇らぬと言うのに。深い溜息は、となりの同行者にも聞こえているだろう。
「やーねぇ気にしちゃダメよ」
チチーナがドローネの肩を叩く。鬱蒼とした木々が絡む下で、ドローネの声が響く。
「気にならないわけないでしょう!だいたい近道をしようと言ったのはチチーナさんじゃないですか!」
「…いや、でも、ドローネも賛成したじゃない」
深い深いダンシネインの森で二人は遭難していた。
ドローネは始めエルシアの港町を目指していた。街道を徒歩で進んでいた。順調にいけば三日とかかるまい。
(そう、そこまでは良かった。別に何の問題もなかったのよ)
今、ドローネは生い茂る森の中を微かに差し込む朝日の光を頼りに突き進んでいた。小さな木々の枝が肌を引っかき小さな傷ができる。露出の高いチチーナは傷だらけになってしまっていた。
街道はダンシネインの森を大きく迂回するコースを取っていた。そこでチチーナが言ったのだ。
「ダンシネインの森を突っ切った方が早いんじゃない?」
その一言が全ての始まりだった。
そうして、早くも三日、街道を進んでいればとうにエルシアに着いているだろう頃に、二人はダンシネインの森の何処かに居るのである。
「はぁ、先が思い遣られるわねぇ」
人ごとのように言うチチーナを斬り倒したい衝動を抑え、ドローネは北へ向かう。そうすればいつかエルシアの方へと抜けられるだろうと思って。
「ん?」
チチーナが何かに気が付いて立ち止まった。ドローネも遅れて、目の前に何かいるのがわかった。
「クラゲ?」
ドローネの初めて見る生き物だった。白い透明なクラゲがふわふわと浮いている。森の中であるので、小動物の類はそこそこ見受けられたが、よくわからない生き物は初めてである。ドローネは同行者に聞いてみる。
「あれ、何かしら」
「クラゲよ」
(そんなことは見れば解るんですが…)
ドローネはすんでところで口まで出てきた言葉を飲み込み、クラゲの方を見やった。クラゲはふわふわと少しずつ近づいてくるではないか。
その大きさは、背の高いチチーナよりも大きく、小柄なドローネの倍はあろうかというほどであった。それは森の木々を避けながら、器用にこちらに近づいてきた。同時にチチーナが槍を構えているのが見えた。
「…あれは肉食動物よ」
「ひゃー」
クラゲとの戦いは死闘を極めた。チチーナが得意とする槍は狭い森ではその真価を発揮できず、ドローネは自分の意識にまだ体がついて行かない。クラゲはそんな二人の獲物を糧とする為に、触手を伸ばし二人を絡め取ろうとする。
ひゅん
風切音と共に矢が飛んできて、クラゲに突き刺さる。チチーナは触手を薙ぎ払い、矢の飛んできた方を視線をやると、木の上に弓矢を構えた背の低いエルフの姿が見えた。チチーナにはそのエルフに見覚えがあった。
「アルル!丁度いいわ、助けて〜」
チチーナは、そのエルフに助けを求める。歴戦の勇者二人がクラゲに苦戦するとはなんとも嘆かわしい状況ではあったが、この丘クラゲ、なかなか手強い存在でもあった。
助けを求められたアルルは弓に矢を三本同時につがえると、それをクラゲに向けて放った。そのうち二本の矢は風を切りクラゲに突き刺さる。クラゲが悲鳴なのか、くぐもった呻き声をあげる。残った一本はクラゲを逸れて、ドローネの左肩に命中した。クラゲと同じく悲鳴をあげるドローネ。
「ありゃ、失敗失敗。えへっ」
「えへっで済まさないで…」
ドローネの抗議をよそに、クラゲは新たな強敵の出現を感じ取り、アルルの方へと触手を伸ばす。
「きゃ」
触手から逃れようとして、アルルは木から落ちた。
どすんという大きな音が森に派手に響く。
「あー役立たずだわ」
チチーナは再び槍を構えた。ドローネも左肩を押さえながら、同じ意見であった。
その後、チチーナの奮戦もあり、クラゲはなんとか撃退された。しかし、ドローネは肩に手痛い傷を負ってしまった。
「ご、ごめんなさいねぇ」
アルルが両手を合わせている。ここまで弓を扱うのが下手なエルフが存在しても許されるのだろうかとドローネもチチーナも思っていた。
「と、ところでこんな所で何をしているの?」
アルルが言った。
「「遭難」」
森の住人たるエルフの道案内を受け、二人は三日と半日ぶりに森を出た。森を抜けた二人の目に飛び込んできたのは、ベング高地であった。ベング高地はダンシネインの森の南側に広がるだだっ広い丘である。エルシアとはダンシネインを挟んで真逆に位置する。
「ねぇアルル。私たちはエルシアに向かってたんだけど、森の反対側に出ちゃったんだねぇ」
チチーネが言った。
ドローネにはもはや、何かを言うだけの気力は残っていなかった。
終了後の座談会
チチーナ:はーい、今日はここまで〜
ドローネ:・・・痛い。
アルル:ごめんねー、まあ別に死ななかったんだから気にしないで
ドローネ:死んだら、この話も終わっちゃうんですが
チチーナ:まあ、いいじゃん。長い旅なんだからいろいろあるわよ
ドローネ:もとは言えばチチーナさんのせいじゃないですか〜
チチーナ:・・・まあ、気にしすぎないことよ。ハゲるわよ
チチーナ:ところで、アルルって女の子?男の子?
アルル:さて、なんのことやら?
ドローネ:絵は女の子っぽい気もするけど
チチーナ:でも男の子って話もあるよね?
アルル:・・・さぁてどうなんでしょうか・・・
チチーナ:手っ取り早く確認する方法があるわっ!アンタ脱ぎなさい!
アルル:ちょちょっと待ってください〜
チチーナ:脱ぐのよ!今すぐに、私が服を引っ剥がしてあげるわ!
アルル:だ、ダメです。チチーナさん、スボンから手を放してくださいー。ドローネさんも助けて
ドローネ:・・・わくわく
アルル:だぁーめー
2
ドローネは途方に暮れていた。
そもそも、言い出したのはチチーナだった。確かに、それに安易に同調した自分の責任も全く無いとは言い切れないのだが。
ドローネは今日何回目かわからない溜息を吐いた。まだ日さえ昇らぬと言うのに。深い溜息は、となりの同行者にも聞こえているだろう。
「やーねぇ気にしちゃダメよ」
チチーナがドローネの肩を叩く。鬱蒼とした木々が絡む下で、ドローネの声が響く。
「気にならないわけないでしょう!だいたい近道をしようと言ったのはチチーナさんじゃないですか!」
「…いや、でも、ドローネも賛成したじゃない」
深い深いダンシネインの森で二人は遭難していた。
ドローネは始めエルシアの港町を目指していた。街道を徒歩で進んでいた。順調にいけば三日とかかるまい。
(そう、そこまでは良かった。別に何の問題もなかったのよ)
今、ドローネは生い茂る森の中を微かに差し込む朝日の光を頼りに突き進んでいた。小さな木々の枝が肌を引っかき小さな傷ができる。露出の高いチチーナは傷だらけになってしまっていた。
街道はダンシネインの森を大きく迂回するコースを取っていた。そこでチチーナが言ったのだ。
「ダンシネインの森を突っ切った方が早いんじゃない?」
その一言が全ての始まりだった。
そうして、早くも三日、街道を進んでいればとうにエルシアに着いているだろう頃に、二人はダンシネインの森の何処かに居るのである。
「はぁ、先が思い遣られるわねぇ」
人ごとのように言うチチーナを斬り倒したい衝動を抑え、ドローネは北へ向かう。そうすればいつかエルシアの方へと抜けられるだろうと思って。
「ん?」
チチーナが何かに気が付いて立ち止まった。ドローネも遅れて、目の前に何かいるのがわかった。
「クラゲ?」
ドローネの初めて見る生き物だった。白い透明なクラゲがふわふわと浮いている。森の中であるので、小動物の類はそこそこ見受けられたが、よくわからない生き物は初めてである。ドローネは同行者に聞いてみる。
「あれ、何かしら」
「クラゲよ」
(そんなことは見れば解るんですが…)
ドローネはすんでところで口まで出てきた言葉を飲み込み、クラゲの方を見やった。クラゲはふわふわと少しずつ近づいてくるではないか。
その大きさは、背の高いチチーナよりも大きく、小柄なドローネの倍はあろうかというほどであった。それは森の木々を避けながら、器用にこちらに近づいてきた。同時にチチーナが槍を構えているのが見えた。
「…あれは肉食動物よ」
「ひゃー」
クラゲとの戦いは死闘を極めた。チチーナが得意とする槍は狭い森ではその真価を発揮できず、ドローネは自分の意識にまだ体がついて行かない。クラゲはそんな二人の獲物を糧とする為に、触手を伸ばし二人を絡め取ろうとする。
ひゅん
風切音と共に矢が飛んできて、クラゲに突き刺さる。チチーナは触手を薙ぎ払い、矢の飛んできた方を視線をやると、木の上に弓矢を構えた背の低いエルフの姿が見えた。チチーナにはそのエルフに見覚えがあった。
「アルル!丁度いいわ、助けて〜」
チチーナは、そのエルフに助けを求める。歴戦の勇者二人がクラゲに苦戦するとはなんとも嘆かわしい状況ではあったが、この丘クラゲ、なかなか手強い存在でもあった。
助けを求められたアルルは弓に矢を三本同時につがえると、それをクラゲに向けて放った。そのうち二本の矢は風を切りクラゲに突き刺さる。クラゲが悲鳴なのか、くぐもった呻き声をあげる。残った一本はクラゲを逸れて、ドローネの左肩に命中した。クラゲと同じく悲鳴をあげるドローネ。
「ありゃ、失敗失敗。えへっ」
「えへっで済まさないで…」
ドローネの抗議をよそに、クラゲは新たな強敵の出現を感じ取り、アルルの方へと触手を伸ばす。
「きゃ」
触手から逃れようとして、アルルは木から落ちた。
どすんという大きな音が森に派手に響く。
「あー役立たずだわ」
チチーナは再び槍を構えた。ドローネも左肩を押さえながら、同じ意見であった。
その後、チチーナの奮戦もあり、クラゲはなんとか撃退された。しかし、ドローネは肩に手痛い傷を負ってしまった。
「ご、ごめんなさいねぇ」
アルルが両手を合わせている。ここまで弓を扱うのが下手なエルフが存在しても許されるのだろうかとドローネもチチーナも思っていた。
「と、ところでこんな所で何をしているの?」
アルルが言った。
「「遭難」」
森の住人たるエルフの道案内を受け、二人は三日と半日ぶりに森を出た。森を抜けた二人の目に飛び込んできたのは、ベング高地であった。ベング高地はダンシネインの森の南側に広がるだだっ広い丘である。エルシアとはダンシネインを挟んで真逆に位置する。
「ねぇアルル。私たちはエルシアに向かってたんだけど、森の反対側に出ちゃったんだねぇ」
チチーネが言った。
ドローネにはもはや、何かを言うだけの気力は残っていなかった。
終了後の座談会
チチーナ:はーい、今日はここまで〜
ドローネ:・・・痛い。
アルル:ごめんねー、まあ別に死ななかったんだから気にしないで
ドローネ:死んだら、この話も終わっちゃうんですが
チチーナ:まあ、いいじゃん。長い旅なんだからいろいろあるわよ
ドローネ:もとは言えばチチーナさんのせいじゃないですか〜
チチーナ:・・・まあ、気にしすぎないことよ。ハゲるわよ
チチーナ:ところで、アルルって女の子?男の子?
アルル:さて、なんのことやら?
ドローネ:絵は女の子っぽい気もするけど
チチーナ:でも男の子って話もあるよね?
アルル:・・・さぁてどうなんでしょうか・・・
チチーナ:手っ取り早く確認する方法があるわっ!アンタ脱ぎなさい!
アルル:ちょちょっと待ってください〜
チチーナ:脱ぐのよ!今すぐに、私が服を引っ剥がしてあげるわ!
アルル:だ、ダメです。チチーナさん、スボンから手を放してくださいー。ドローネさんも助けて
ドローネ:・・・わくわく
アルル:だぁーめー
夕輝と君の心が僕を呼ぶまで
2006年8月1日 日常+α抱きしめあえる日まで>挨拶
デフォ。
なんか、今日はほとんどヒッキーしてしまった。
暑いし。
組んだプログラムに乗せるべきデータが
あまりにも想定と違いすぎて乗せるどころか、
プログラムの修整もままならぬのは仕様ですか?
それとも仕様のないことですか?
【モンメカ】
リザレクションって実はよくわかってないんだよねー
二年前から三年前の焼き直し版だな。
まだまだ焼き直しが必要だが。
書かねば下手になる一方だし。
【FFXI】
課金の延長忘れてたぜい。←WebMoneyなひと。
まあ、なんていうか。
VerUpで、夕輝の主金策が潰れたわけだが。
・・・カネどうしようか。
寿司も昔ほど儲からんし、
某アイテムは、儲けは出るけど、
材料がスタック効かない、売れ行き速度がやや遅いし。。。
今更タマネギも無いしなぁ。アレは儲かるっちゃー儲かるけど。
夕輝のバーミリオクロークの半分はタマネギで出来てるからな。
調理84(か裁縫53)で材料がスタック効いて、
一座り1000G以上の利益が確保でき、
7枠全て出しても一日で売りさばける程度の
いい合成ねーかなぁ?
まあ、ホントに儲かるものは人には教えないね。うんうん。
でも、金策の前にログインせななー
【メタルサーガ季節】
うがー
ラスダンきちー
銀河の三人思い出したぞ。
ξ*゜?゜)ξ<HpMaxから即死とかは良くないと思います。
デフォ。
なんか、今日はほとんどヒッキーしてしまった。
暑いし。
組んだプログラムに乗せるべきデータが
あまりにも想定と違いすぎて乗せるどころか、
プログラムの修整もままならぬのは仕様ですか?
それとも仕様のないことですか?
【モンメカ】
リザレクションって実はよくわかってないんだよねー
二年前から三年前の焼き直し版だな。
まだまだ焼き直しが必要だが。
書かねば下手になる一方だし。
【FFXI】
課金の延長忘れてたぜい。←WebMoneyなひと。
まあ、なんていうか。
VerUpで、夕輝の主金策が潰れたわけだが。
・・・カネどうしようか。
寿司も昔ほど儲からんし、
某アイテムは、儲けは出るけど、
材料がスタック効かない、売れ行き速度がやや遅いし。。。
今更タマネギも無いしなぁ。アレは儲かるっちゃー儲かるけど。
夕輝のバーミリオクロークの半分はタマネギで出来てるからな。
調理84(か裁縫53)で材料がスタック効いて、
一座り1000G以上の利益が確保でき、
7枠全て出しても一日で売りさばける程度の
いい合成ねーかなぁ?
まあ、ホントに儲かるものは人には教えないね。うんうん。
でも、金策の前にログインせななー
【メタルサーガ季節】
うがー
ラスダンきちー
銀河の三人思い出したぞ。
ξ*゜?゜)ξ<HpMaxから即死とかは良くないと思います。