夕輝と、おそらくレガシーはもう
2013年9月4日 日常+α【MTG】
思考囲いの再録に対して好意的な意見が多いということは書いた。
しかし、世の中はそう簡単にはいかない。
再録禁止リストというのがなぜあるのか。
思考囲いがテーロスに再録されることが二年前からわかっていたらどうなっただろうか。
おそらく思考囲いの値段は2000円を越えなかっただろう。
(思考囲いが2000円を超えたのは去年の夏で、その年末に5000円を突破した)
ショップは思考囲いをプレイヤーから高く買い取ることをしないし、
プレイヤーはショップで思考囲いをおそらく高く買わないだろう。
今のTCGは、ひとつの市場として、確固たる地位を築き始めている。
しかし、当時はそんな市場など何処にもなく、
そこには、信用も信頼もなかった。
我々は思考囲いが再録されたという出来事を好意的に受け取ることなどできなかっただろうし、
それについて、低俗な愚痴を吐き続けただろう。
今日の好意的な反応は、20年の歴史が積み重ねた信頼と信用よって成立していると
私は思う。
バイヤーやショップは、WotCを信頼している。よって多少のアクションには動じない。
しかし、他TCGではそうではない。最近では、遊戯王の話が記憶に新しいが、
デュエルマスターズでも、ポケモンカードゲームでも
その手の問題は山積し、メーカーは信用と信頼を築けぬままにある。
その信用を築くための手段のひとつとして、再録禁止リストは素晴らしかった。
一方で時代が変わり、時代に合わなくなった。
ヴィンテージプレイヤーは少ないと思う。
しかし、我々はMOXが再販されず、ヴィンテージに参入できないことを苦痛には思わない。
それは、ヴィンテージ以外にもMTGにはたくさんの機会があるからだ。
一方で、新セットを作るときにヴィンテージはほとんど考慮されない。
修繕があるから、刷れないカードがあるなどという躊躇は、おそらくしない。
それはどういう意味か。
ヴィンテージは単純に見放された。のである。悪い書き方をすれば
WotCはヴィンテージのバランスを整えることに注力することはないし
ヴィンテージプレイヤーを重視することもない。
(まったく考慮に入れないわけではないだろうが、おそらくスタンダードに比べるとそれは誤差の範囲内にとどまるだろう)
実は、ついこないだまで、
レガシーの環境は、それなりに考慮されていた。
精神的つまづきなんかは、その最たる例だ。
それは失敗に終わったが、あの時点では
WotCはレガシーというフォーマットに注意を払っていた。
だが、WotCはモダンというフォーマットを制定し
モダンマスターズという方法に打って出た。
これの是非はここでは問題にしない。
しかし、WotCはその姿勢を鮮明にした。
モダンというフォーマットに対して、
そのプールのカードを再録する意思があるということを。
いままで、レガシーには、そういうものがなかった。
それは再録禁止リストがあったからだ。
しかし、WtoCは再録禁止リストを気にしなくて良いエターナルのフォーマットを手に入れた。
良い子のみんなは、レガシーがどうなるかもうわかったと思う。
レガシーは、ヴィンテージ化する。
それは、もう避けられない。
モダンはGPのフォーマットしても魅力的だ。
しかし、レガシーのGPは実はほとんど成功していない。
もうずっとアメリカでしか行われてなかった。
(今年は、フランスで開催された、結果は悪くはなかったが)
我々、レガシー民は見捨てられたのだ
まあ、実際のところはそんなことはないが、
リアルのMTGでは、レガシーはヴィンテージ化するのは間違いない。
しかし、オンライン版は、再録禁止リストに影響されること無く
モダンマスターズのレガシー版ともいえるマスターズエディションが何度も刷られ
むしろ、旧時代のパックですら定期的にイベント形式だが再販されている。
これからは、オンラインでレガシー、リアルでモダンという住み分けになっていくのではないだろうか。
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