夕輝とビーストマスター
2006年3月12日 アニメ・マンガISBN:4049260816 コミック ゆうくりっど 角川書店 1995/11 ¥924
ふれあうことが力になる。
どうしてこの名作の画像が出ないのだ。
と憤りを感じるが、それはさておく。
作者のゆうくりっど氏の画風は独特で
若干好みが別れるところだろうと思われる。
可愛いものを描かせるとかなり良いが、
ビーストマスターを描いていた時期は
細い線で描く画風であったので、
ページや場面よってはやや煩雑となっていた。
だが、この作品はそんな作画の点から見た不満を一掃させてしまうほどに
よく出来た物語である。
東洋と西洋の雰囲気を見事に融合させ、
さらにオリジナルのものとして昇華できている世界観は
類を見ないものであり、
全てのクリエイターはこれを経験すべきであろう。
ただ、その上で最初は世界観が捉えにくいということはあるが、
物語が進めば自ずと全容が見えてくるのは
氏の手腕の素晴らしさであろう。
世界観もかのように優秀であるが、
それ以上に、ストーリーが秀逸すぎる。
ベタで王道まっしぐらにも関わらず
見る人を魅せて、涙させる漫画は今や珍しいのではないか。
確かにマイナーな漫画ではあると思うが、
漫画好きを称して、これを読まないのは
もはや罪である。
適度に散りばめられた軽い笑いと
濃厚に絡むストーリーは読み手を飽きさせない。
物語の進行もテンポが良く、疲れずに読み進めることもできる。
が、それが時に欠点ともなり、
話の筋が掴めなくなる部分が見受けられるが、
二度読み返せばそれは大した問題ではない。
最終話の最後のシーンを見て
涙を流さないものは居ないだろう。
漫画の中で最も価値あるシーンのひとつだと私は思う。
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