ISBN:4785924993 コミック 平野 耕太 少年画報社 2004/12/27 ¥520
 
化け物とは何か。


古今東西、人は様々なものを"化け物"と呼んできた。

人々は自分の想像の及ばない闇の範囲に住まう全てのものを
化け物と定義している。

それは、相対的な定義であり、絶対的なものではない。
では、絶対的な化け物とは何か。

その答えが此処にある。
 
 
 
しかしアーカードは化け物ではあるが、
彼は吸血鬼だ。

吸血鬼という存在を越えてはいない。

太陽や流水などは吸血鬼にとって克服するのは容易い。

視線による魅了、霧や蝙蝠や狼への変化
吸血による記憶やスキルの吸収、再生、使い魔
そして、強靱な力。
 
 
どれも吸血鬼が持つ能力である。
アーカードはそれ以上のモノを持っていない。

だが、彼は化け物だ。
 
 
 
この作品の素晴らしいところは、その構図だ。
画力も並みより高い位置にあると思うが、
各コマのそれぞれの構図が素晴らしい。
動きもある。恐怖を引き立たせるために
心に訴えかけるものがある。

人は現実に存在する物を見ているのではなく、
自分の目と心に映ったものを見ているに過ぎない。
正しいデッサンなど問題ではない。
彼らは化け物なのだ。

断っておくが、もちろん
別にデッサンが狂っているというわけではない。
 
 
夕輝がこの作品で一番好きなシーンは
リップバーンがアーカードに虐殺されるシーンである。
アーカードが如何に恐怖充ち満ちた存在か強大な存在かを
この目と心に焼き付けさせられる。
リップバーンウィンクルが可愛いからという理由では断じて無い。

ホントだよ?
 
 
 
吸血鬼に興味がある人、というよりは
人外の化け物に興味がある人は一読すると世界が広がるのではないかな。
恐怖を視覚的に表現するのに効果的な方法がわかるだろう。

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