ISBN:4253126855 コミック 垣野内 成美 秋田書店 2001/06 ¥540
あなたの血と引き替えに永遠の幸せをあげる・・・
ちなみに画像が八巻なのは、一番表紙が気に入っているから。
この作品を連載している間に
垣野内成美氏は絵がとても巧くなられた。
細い線で綺麗に描きなさる。
この作品の内容と画風がしっかり馴染んで
ひとつの作品として高い完成度に到達していると感じる。
画力としては決して高いわけではないが、
画風がこれほどまでに話に合っているのは素晴らしいと思う。
夕輝はコミックよりTVアニメシリーズの方が好きである。
TVアニメの"吸血姫美夕"は、
個人的な感情を勘定に入れると、
私が最も好きなアニメ作品である。
では、コミックは嫌いか。そうではない。
OVAの美夕は嫌いだが。
コミックとTVアニメシリーズは全く別の話だ。
登場人物の役割も少し違うし、力関係も違う。
コミックでは美夕より冷羽のが間違いなく強いと思う。
しかし、その根底にあるものは同じだ。
永遠の儚さをこれほどまでに描いた作品は珍しいだろう。
美しく繊細で壊れやすいガラスのような雰囲気が漂い、
吸血姫としての、監視者としての美夕の行動が描かれる。
そして、永遠を生きる者と定命の者の世界は決して交わらないことを。
まあ、難しい話はさておき
綺麗で繊細な、儚げな世界観が好きなら一読しても良いのではないだろうか。
また、永遠というテーマについての考えを深めたいなら、
これもまた一つの形として触れてみるのも良いかもしれない。
なお、吸血姫夕維と吸血姫美夕は同じ世界観で描かれ、
互いにもうひとつの作品に出演したりもしている。
時間軸がこんがらがるが、時間軸など彼女たちには何の意味も無いのだ。
コメント