夕輝と巫女覚醒への道[2]
2004年10月28日5.巫女覚醒のダイヤグラム
では、現環境における他のデッキに対して一般的な巫女覚醒はどの程度の勝率を上げることが出来るだろうか。以下の推測は全てメイン時のみのものとし、サイドボードは考慮しないことにする。
対親和:若干不利
対ワークス:不利
対トロン:極めて不利
対黒コン:若干不利
対赤コン:互角
対ポンザ(赤単ランデス):若干不利
対ランデス(赤緑系):互角
対緑青:不利
対青コン:若干有利
それぞれの推測の根拠であるが、親和戦においては、メインに酸化を投入している場合であり、そうでない場合は不利が付くだろうと思われる。理由としては、頭蓋囲いからちらつき蛾に対して、ほとんど対処できない点と大聖堂の信望者やクリーチャーの攻勢を止められずダメージを受けた状態で爆片破や荒廃者などからの大ダメージを止めきれない点である。トロンに対して極めて不利なのは説明の必要もないかと思う。黒コンに対しても若干の不利が付く。死の雲からの立ち直りでは巫女を絡めてもなんとかならない場合も多い。通常のランデスに対しては、すきこみ連打を除けばあまり怖くない。ランドの供給量は尋常ではないし、4色が必要なのは巫女を出す一瞬だけでよい。ただし、赤単色のポンザに対しては不利を付けざるを得ない。ゾーズーのダメージは脅威であるし、初手の炎歩スリスからの火力で容易に死ねるからだ。その他は推測も若干適当になってるので、参考程度に考えて欲しい。
これらの推測から、導き出される結論は巫女覚醒は一撃必殺系の切り札を搭載したデッキに不利がつくことである。巫女覚醒のデッキの速度は速くない。そのため、相手に準備を行う猶予を存分に与えてしまうのである。本来なら、ここで青のカウンターなどで相手の切り札を捌く必要があるが、巫女覚醒が搭載するカウンターは卑下やマナ漏出で確定カウンターでは無いため、それらを通してしまうことが多い。逆に青を濃くすることで問題の解決を図ることが出来るが、それではさらに速度の低下を招く可能性もある。
6.巫女覚醒に投入されるカード群
様々な巫女覚醒が構築されている今、巫女覚醒が用いるカード名を並べただけでスペースが埋まってしまう。ここでは、一般的に良く用いられる、あるいは夕輝が推奨するカード群を並べてみようと思う。
・マナ加速
巫女覚醒のデッキの根幹を為す部分がマナ加速である。如何に素早くかつ安定した大量の土地と色を供給できるかが最大の焦点である。
極楽鳥/Birds of Paradise
これの利点は、5色のいずれのマナも供給してくれることと、2ターン目に3マナへのジャンプを実現させてくれることである。これが場にあれば、それだけで色事故は起こらないと言っても過言ではない。しかし、欠点として簡単に破壊されてしまうことと、土地を供給するカードでは無い点があげられる。粗野な覚醒を切り札とするなら、土地を供給するカードを使いたいところ。また、破壊されることでアドバンテージを失うので注意。
不屈の自然/Rampant Growth
桜族の長老にお株を奪われた感のある、このミラージュ出身のソーサリースペルは、十分に強い。桜族の長老を4枚投入したうえで、さらに不屈な自然を積む可能性も大いにある。その理由は3ターン目に4マナにジャンプを実現することである。これによって、3ターン目の神の怒りが可能になり、生存率が格段に上昇するからである。
真面目な身代わり/Solemn Simulacrum
強力なカードには違いないが、コストが4マナとかなり重い。しかし、能力の高さには目を見張る物があるし、ドローは巫女に通じる物がある。問題は4マナなので、この時点で4色揃ってることが望ましく、これをマナ加速として使うのはやや疑問が残る。しかし、アクション主体の巫女覚醒には、マナ加速とアタッカーの増産のふたつの効果が期待できるため投入できるだろう。
刈り取りと種まき/Reap and Sow
基本地形以外の土地も供給できるとはいえ、4マナは重い。これをマナ加速に用いるなら、他のカードを利用すべき。ただ例外があって、このカードは土地破壊に使えるため、ランデスを視野に入れた巫女覚醒はこれを使うことになる可能性はある。
五元のプリズム/Pentad Prism
3ターン目に5マナ域に一度だけジャンプ可能な強力マナ加速。土地加速には繋がらず、効果がやや不安定なところがあるが、巫女覚醒に置いては2ターン目に2マナ出ていないということは完全なマリガンミスなので問題ない。各種夜明けの運び手が入ってるデッキや高速指向のデッキのマナ加速として採用可能なポテンシャルを秘めているだろう。
旅人のガラクタ/Wayfarer’s Bauble
1ターン目にプレイし、2ターン目の相手のターンエンドに使うことで2ターン目に2マナインスタントの余地を残しつつ、3ターン目に4マナにジャンプするためのカード。マナ漏出やマグマの噴出などを採用している場合は、不屈な自然よりこちらの方が一枚上手な感じがする。しかし、1ターン目のプレイが必要なので、師範の占い独楽とは地味に相性が悪く、また第八版に含まれるタップインランドとの相性も気になる。
桜族の長老/Sakura-Tribe Elder
緑を含む巫女覚醒の9割が4枚投入するだろうカード。チャンプブロッカーとして、アタッカーとして、そしてマナ加速として全ての点で優秀な2マナ域のカードである。ただし、使い方が広いカードは往々にして使い方が難しく、プレイングも困難になる。どの時点で土地に変えるかを見極めてプレイしたい。これの攻撃を2回通すことで、粗野な覚醒が最低1ターンは早くなることを覚えておきたい。
木霊の手の内/Kodama’s Reach
土地を2枚供給するアドバンテージの塊のようなカードであり、強いカードではあるが、肝心のマナコストが3で、3ターン目の神の怒りを実現させることができない点が巫女覚醒で嫌煙される理由か。それでも、このカードはデッキ圧縮として強力で、中盤以降の利用を視野にいれてデッキに投入したい。そのため、枚数は押さえ気味にした方が良い。
旅行者の凧/Journeyer’s Kite
多くの枚数の土地を供給するカードであり、巫女覚醒には相性はかなり良いカードであるが、序盤は役立たずであり、現環境の速さと鋭さの前に為す術もないカード。これを使うには、場を固めておく必要があるため、今の巫女覚醒では使いにくい。
マナ加速の目的は神の怒りが入っているタイプなら3ターン目の神の怒りを実現することで、そうでなくても4ターン目に5マナ揃えて巫女を降臨させたい。しかし、本当の目的はライブラリから土地を抜き、ライブラリ圧縮を行いドローの質を上昇させ、巫女の能力の最大活用に繋げつつ、粗野な覚醒へ繋げることである。そのため、土地加速で無いマナ加速は巫女覚醒では評価が一段階低下する。木霊の手の内はこの目的に最も適ったカードではあるが、3ターン目の神の怒りを実現する力が無いのが欠点。桜族の長老や旅人のガラクタを併用しつつ、木霊の手の内はデッキに2枚程度仕込むのが良いのではないかと思う。
明日執筆予定の[3]へ続く
では、現環境における他のデッキに対して一般的な巫女覚醒はどの程度の勝率を上げることが出来るだろうか。以下の推測は全てメイン時のみのものとし、サイドボードは考慮しないことにする。
対親和:若干不利
対ワークス:不利
対トロン:極めて不利
対黒コン:若干不利
対赤コン:互角
対ポンザ(赤単ランデス):若干不利
対ランデス(赤緑系):互角
対緑青:不利
対青コン:若干有利
それぞれの推測の根拠であるが、親和戦においては、メインに酸化を投入している場合であり、そうでない場合は不利が付くだろうと思われる。理由としては、頭蓋囲いからちらつき蛾に対して、ほとんど対処できない点と大聖堂の信望者やクリーチャーの攻勢を止められずダメージを受けた状態で爆片破や荒廃者などからの大ダメージを止めきれない点である。トロンに対して極めて不利なのは説明の必要もないかと思う。黒コンに対しても若干の不利が付く。死の雲からの立ち直りでは巫女を絡めてもなんとかならない場合も多い。通常のランデスに対しては、すきこみ連打を除けばあまり怖くない。ランドの供給量は尋常ではないし、4色が必要なのは巫女を出す一瞬だけでよい。ただし、赤単色のポンザに対しては不利を付けざるを得ない。ゾーズーのダメージは脅威であるし、初手の炎歩スリスからの火力で容易に死ねるからだ。その他は推測も若干適当になってるので、参考程度に考えて欲しい。
これらの推測から、導き出される結論は巫女覚醒は一撃必殺系の切り札を搭載したデッキに不利がつくことである。巫女覚醒のデッキの速度は速くない。そのため、相手に準備を行う猶予を存分に与えてしまうのである。本来なら、ここで青のカウンターなどで相手の切り札を捌く必要があるが、巫女覚醒が搭載するカウンターは卑下やマナ漏出で確定カウンターでは無いため、それらを通してしまうことが多い。逆に青を濃くすることで問題の解決を図ることが出来るが、それではさらに速度の低下を招く可能性もある。
6.巫女覚醒に投入されるカード群
様々な巫女覚醒が構築されている今、巫女覚醒が用いるカード名を並べただけでスペースが埋まってしまう。ここでは、一般的に良く用いられる、あるいは夕輝が推奨するカード群を並べてみようと思う。
・マナ加速
巫女覚醒のデッキの根幹を為す部分がマナ加速である。如何に素早くかつ安定した大量の土地と色を供給できるかが最大の焦点である。
極楽鳥/Birds of Paradise
これの利点は、5色のいずれのマナも供給してくれることと、2ターン目に3マナへのジャンプを実現させてくれることである。これが場にあれば、それだけで色事故は起こらないと言っても過言ではない。しかし、欠点として簡単に破壊されてしまうことと、土地を供給するカードでは無い点があげられる。粗野な覚醒を切り札とするなら、土地を供給するカードを使いたいところ。また、破壊されることでアドバンテージを失うので注意。
不屈の自然/Rampant Growth
桜族の長老にお株を奪われた感のある、このミラージュ出身のソーサリースペルは、十分に強い。桜族の長老を4枚投入したうえで、さらに不屈な自然を積む可能性も大いにある。その理由は3ターン目に4マナにジャンプを実現することである。これによって、3ターン目の神の怒りが可能になり、生存率が格段に上昇するからである。
真面目な身代わり/Solemn Simulacrum
強力なカードには違いないが、コストが4マナとかなり重い。しかし、能力の高さには目を見張る物があるし、ドローは巫女に通じる物がある。問題は4マナなので、この時点で4色揃ってることが望ましく、これをマナ加速として使うのはやや疑問が残る。しかし、アクション主体の巫女覚醒には、マナ加速とアタッカーの増産のふたつの効果が期待できるため投入できるだろう。
刈り取りと種まき/Reap and Sow
基本地形以外の土地も供給できるとはいえ、4マナは重い。これをマナ加速に用いるなら、他のカードを利用すべき。ただ例外があって、このカードは土地破壊に使えるため、ランデスを視野に入れた巫女覚醒はこれを使うことになる可能性はある。
五元のプリズム/Pentad Prism
3ターン目に5マナ域に一度だけジャンプ可能な強力マナ加速。土地加速には繋がらず、効果がやや不安定なところがあるが、巫女覚醒に置いては2ターン目に2マナ出ていないということは完全なマリガンミスなので問題ない。各種夜明けの運び手が入ってるデッキや高速指向のデッキのマナ加速として採用可能なポテンシャルを秘めているだろう。
旅人のガラクタ/Wayfarer’s Bauble
1ターン目にプレイし、2ターン目の相手のターンエンドに使うことで2ターン目に2マナインスタントの余地を残しつつ、3ターン目に4マナにジャンプするためのカード。マナ漏出やマグマの噴出などを採用している場合は、不屈な自然よりこちらの方が一枚上手な感じがする。しかし、1ターン目のプレイが必要なので、師範の占い独楽とは地味に相性が悪く、また第八版に含まれるタップインランドとの相性も気になる。
桜族の長老/Sakura-Tribe Elder
緑を含む巫女覚醒の9割が4枚投入するだろうカード。チャンプブロッカーとして、アタッカーとして、そしてマナ加速として全ての点で優秀な2マナ域のカードである。ただし、使い方が広いカードは往々にして使い方が難しく、プレイングも困難になる。どの時点で土地に変えるかを見極めてプレイしたい。これの攻撃を2回通すことで、粗野な覚醒が最低1ターンは早くなることを覚えておきたい。
木霊の手の内/Kodama’s Reach
土地を2枚供給するアドバンテージの塊のようなカードであり、強いカードではあるが、肝心のマナコストが3で、3ターン目の神の怒りを実現させることができない点が巫女覚醒で嫌煙される理由か。それでも、このカードはデッキ圧縮として強力で、中盤以降の利用を視野にいれてデッキに投入したい。そのため、枚数は押さえ気味にした方が良い。
旅行者の凧/Journeyer’s Kite
多くの枚数の土地を供給するカードであり、巫女覚醒には相性はかなり良いカードであるが、序盤は役立たずであり、現環境の速さと鋭さの前に為す術もないカード。これを使うには、場を固めておく必要があるため、今の巫女覚醒では使いにくい。
マナ加速の目的は神の怒りが入っているタイプなら3ターン目の神の怒りを実現することで、そうでなくても4ターン目に5マナ揃えて巫女を降臨させたい。しかし、本当の目的はライブラリから土地を抜き、ライブラリ圧縮を行いドローの質を上昇させ、巫女の能力の最大活用に繋げつつ、粗野な覚醒へ繋げることである。そのため、土地加速で無いマナ加速は巫女覚醒では評価が一段階低下する。木霊の手の内はこの目的に最も適ったカードではあるが、3ターン目の神の怒りを実現する力が無いのが欠点。桜族の長老や旅人のガラクタを併用しつつ、木霊の手の内はデッキに2枚程度仕込むのが良いのではないかと思う。
明日執筆予定の[3]へ続く
コメント